ビゼーはフランスの作曲家。両親とも音楽家という恵まれた環境で早期教育を受けました。フルートを吹く者にとっては「アルルの女のメヌエット」の作曲家として有名です。オペラ『カルメン』は、パリ、オペラコミック座の依頼で心血を注いで作曲したのにもかかわらず、1875年の初演では失敗に終わりました。それまでフランスの聴衆は、淡く快い、感傷的なオペラに慣れきっていたので、『カルメン』の登場人物が無道徳なジプシー女、密輸入者や脱走兵という過激なストーリーについていけなかったのでしょう。それから3ヵ月後、ビゼーは失意の中、亡くなってしまいます。彼の死後、間もなくウィーンで大成功をおさめますが、その様子を観ることなしに……。この曲は第1幕で美貌のジプシー女・カルメンが、一人自分に関心を示さないドンホセに気付き、彼の気を引こうと歌う「恋は野の鳥」です。ハバネラとはキューバのハバナを中心に広まった、伴奏形のリズムが特徴的なゆったりとした2拍子の踊りのことです。※この譜面はピアノ伴奏譜付きです。