「バッハのメヌエット」として長年知られていたこの曲は、真作ではなく、同時代の作曲家・ペッツォルトによるものであるということが、近年になってわかりました。バッハの曲だと考えられていたのは、バッハの2番目の妻、アンナ・マグダレーナが、自分のクラヴィーアのレッスンのために写譜した音楽帳にこの曲が入っていたためでした。この音楽帳は、彼女のプライベートな楽譜で、楽曲に作者名を記していなかったため、おそらくJ.S.バッハのものであろうということで、BWV Anh. 114という作品番号が付けられたようです。メヌエットとは、3/4拍子のヨーロッパの舞曲で、古典派の交響曲の第3楽章によく用いられています。シンプルで親しみやすいこのメロディは、日本では、電話の保留の際に流れる音楽として使われていたり、アメリカのシンガーソングライターにより、「ラヴァーズ・コンチェルト」としてアレンジされ歌われたりしています。※この譜面はピアノ伴奏譜付きです。