ピアノソナタ第3番『神楽』です
西洋の形式に日本の旋法を用いた和洋折衷の和ソナタになります。
【第一楽章】
ソナタ形式
第一主題は陰旋法(2.6抜き短音階)→陽旋法(4.7抜き短音階)
第二主題は琉球旋法(2.6抜き長音階)→呂旋法(4.7抜き長音階)
展開部は第一主題縮小型のト短調→平行調
の第二主題に移行、第二主題はABの旋法が提示部とは逆になっている。
再現部は全主題が属調(第一主題B→第二主題Aは属調の同主調)に転調し主調に還る
【第二楽章】
複合三部形式(AB CDE AB)
ABは主調、CDEは属調、Dはカノンになっている
第一、第三楽章が5音階を軸にしているのと対照的に6音階が軸となっている
【第三楽章】
ロンド形式
主調陰旋法(AB)→平行調呂旋法(AC)→属調の同主調陽旋法(AD)→属調の同主調琉球旋法(AE)→属調の同主調陰旋法、つまり主調(A+終結)と転調する。
Aが入れ替わる度に長短と旋法が入れ替わり、Eで第一楽章のモティーフが現れる。