SEKAI NO OWARIのアルバム『Lip』収録曲。映画『君は月夜に光り輝く』の主題歌は別バージョンですが、死生観をテーマにした純愛物語に寄り添うように流れるこの歌も、悲しいほどの優しさに溢ていますね。循環するコード進行なので、骨組みはシンプルですが、複雑に混ざり合ってうねるような響きになるところが大きな特徴と言えそう。[B]1小節目3拍目は、原曲は伴奏がマイナーで、メロディはH音で歌われていますが、ここでは、きっぱりとマイナーの解釈でアレンジ。その先の5小節目で、同じフレーズが登場するときに、明確にメジャーの響きにすることで、心の動きや、希望を抱えた明るい雰囲気を表現する狙いです。[C][H]なども同様。例えば[C]の左手伴奏など、少しだけビート感を強めに出しながら弾くと推進力が生まれてきますが、鍵盤から指をあまり離さない弾き方にすると、映画の中で流れる愁いを秘めたサウンドに近づきます。