そもそも僕がソロ・ベースをプレイしてみようと思った理由のひとつに、クラシックの名曲をひとりでちゃんとやりたかったから、というのがあるんですよ。ロック/ポップスのプレイヤーである僕がクラシックをきっちりと弾く……それが当初の目的のひとつだったわけです。そういうわけなので、こういったクラシックの曲は僕にとって特にやりがいがありました。では、この曲を見ていきましょう。譜面では簡単そうに見えるでしょうが、メロディとコードを同時に美しく奏でるのは難しいんです。で、メロディに隙間が多いでしょ。だから経過音で埋めていっているんですよ。いかにうまく経過音を使うか、それがアレンジのポイントだったんです。そのあたりに注意しながら聴いていってください。では、細かい部分もチェックしていきましょう。①:1弦14フレットのA音を鳴らしたまま、2弦で下降ラインを奏でるんです。これが美しく響くんですよ! で、最初の音は、左手の指を大きく広げなければいけません。充分にストレッチして、確実に押弦するようにしてください。②:ここは同じメロディが2小節続くわけですが、ベース音は変化させてます。そうすることによって、曲に広がりが出るんですよ。③:この2小節間に出てくる音は4つだけです。で、各弦につき1音ずつ。だからコードを押さえればいいんですよ。11フレットを人差指でセーハして、小指と薬指で1弦と3弦の14フレットをそれぞれ押さえるんです。そうすればなめらかに弾けます。④:経過音を多用して、メロディを引き立たせています。なめらかに弾いてください。