元々は「カンタータ」の曲として作曲されました。カンタータは礼拝の際に行われる説教(聖書や福音書などの内容)を歌詞として演奏される合唱楽章のことを言います。バッハは若い頃から説教の内容を音楽に仕上げることを仕事としており、生涯に200曲以上のカンタータを残しました。この曲はそのうち第147番のものとなります。
タイトル中の「主」は、イエス・キリストを指しています。原題は「Jesu, Joy of Man's Desiring」で、これを訳して今の邦題となっているわけですが、「主よ、人の望みの喜びよ」では具体的な意味を浮かべにくいですよね。分かりやすく言えば、「主(イエス)こそが人の望みや喜びです」といった意味になります。いかにも賛美歌的な、聖書を拠り所とする曲らしいタイトルです。