本番まで残り72時間となったとき、拙作の演奏に出演予定であった管楽器奏者がやむを得ない事情により 出演できなくなってしまった。代わりの演奏家に依頼する時間もなかった。「穴」をあけるわけにもいかない。 …残された時間で私の限られたピアノの腕前に収まる新曲を作り演奏するしかなかった。 そうして生まれた作品である。
また、そのころは頻繁に美術館へ通っていた時期でもあった。もしかすると曲中における種々の「和音」は 「絵」を、「リズム」は「額縁」を転化させていたのかもしれない。