セシル・シャミナード(Cecile Chaminade, 1857~1944)はフランスの作曲家、ピアニストです。「出版作品と演奏活動によって、経済的に自立した最初の女性作曲家」と言われています。しかし、生前は大活躍していたにもかかわらず、没後は約半世紀に渡ってほとんど忘れ去られてしまっていました。1990年代に入ってから「フルートと管弦楽のためのコンチェルティーノニ長調」が演奏される様になり、それに伴って彼女の他の作品もようやく再演される様になってきましたが、それでも彼女が遺した作品のごく一部に過ぎません。この曲は、ピアノ曲「プロヴァンスの詩」からの一曲です。シャミナードは膨大な数の作品を遺している一方、今日では埋もれてしまっている作品も沢山あります。拙編が、そういった埋もれてしまっている作品や、今日では忘れ去られてしまった作曲家、また彼らによる作品があったからこそ、今日の音楽がある、という事に思いを馳せて頂くきっかけになれば幸いです。