2019年7月に作曲。コントラバスとヴィブラフォンが対峙し合う緊迫感を想像したとき、サイコロ即ち賽が自由に回転する様が目に浮かんだ。バウンドした先にあるものは誰も予測がつかない。ある時は街の喧騒、ある時はいつか聞いたことのあるジャズ、またある時は民族音楽の手遊び歌。自分の中にある曖昧な記憶をつなげてコラージュしたような作品になった。合奏稽古の際、音量や迫力を求めてエレキベースでの演奏をお願いすることにした。そういえば、昔母は僕をギタリストにしたくてヴァイオリンに通わせ始めたことをぼんやりと思い返していた。(會田瑞樹)