2004年に福岡市内の高等学校吹奏楽部からの委嘱により作曲した金管八重奏曲です。委嘱時の要望に応える形で、ジャズテイストを持った、そして一般的な楽器編成とは異なった作品になっています。各楽器の音域も(トロンボーン1とテューバ1を除き)無理のない範囲に収めています。作曲の打ち合わせに伺った際、それはちょうど黄昏時でしたが、窓から見えた柔らかな光が作品の発想となりました。とは言え、その情景を描写しようとはしたわけではありません。夜の闇が寄せてくるにつれ、むしろ活気づいてくる街や人々の感情がここには現れているかもしれません。(正門研一)