2009年から2013年にかけて作曲した「シャイニング・ソウル」シリーズの第2作目にあたります。自発的に始めたこのシリーズの根底には、2009年に病に倒れた父(2014年没)への感謝、回復への願い、というごく個人的な感情があります(詳しくは述べませんが)。作品ごとに自分なりのテーマ(課題)を持って作曲しているのですが、この「2」で私は、二つの主題(動機)を中心としたポリフォニックな展開、かつ、「勇ましくない」行進曲を目指しました。ひとつ目の主題は、冒頭の4小節に現れます。この主題は曲中断片的に現れてもうひとつの主題と絡むこともありますし、その「反行型」が曲の一部分を支配することもあります。もうひとつの主題はリハーサール・マーク[A]からの旋律。特にその冒頭2小節の音型は繰り返し登場します。曲の中間部では二つの主題とは違った旋律や動機も登場しますが、主要な二つの主題を展開させることで私は内面的な強さを作品に持たせようと試みました。とはいえ、作品そのものは特定の物語や情景を表すものではありません。演奏される方なりの、お聴きになる方なりの物語を描いていただけますと幸いです。(正門研一)