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Sonata fuyunoame

ピアノ連弾のためのソナタ『冬の雨』 (菊池 亮佑) / ピアノソロ 中〜上級

楽譜ID : 20186
116
中〜上級
全40ページ
Sonata fuyunoame 1
Sonata fuyunoame 2
Sonata fuyunoame 3
Sonata fuyunoame 4
Sonata fuyunoame 5

この楽譜を手に取ってくださりありがとうございます。
この曲は、2016年から作曲をはじめ、2017年11月3日の高校2年生の時の文化祭「ささりんどう祭」にて、第1、2楽章を友人と私で初演致しました。
それ以来この曲は眠っていたのですが、高校卒業後、ピアニストの宮川久美さんが声をかけてくださり、「サンデー・ブランチ・コンサート」にてこの曲を演奏することとなりました。それまで、放ったらかしのような状態になっていた第3楽章は、展開部を拡張し、なんとかソナタと呼べるようなものになりました。
まだまだ未熟者ではありますが、日々作曲活動に精進して参りますのでこれからも応援をよろしくお願い致します。

第1楽章
アダージョ
まず、第1楽章ではこの曲全体を形作るテーマが提示され、ひたすらそのテーマを拡大・縮小・逆行・反行などしながらテーマが展開されます。変奏曲に近い形になっていますが
完全な変奏曲ではありません。
雨の雫が滴るようなしつこい程のド♯(Cis)と冷たい雨に打たれているような寂しげな主題が冬の雨を描写しています。

第2楽章
メヌエット
ここまで来るとお気づきの方も多いのではないかと思いますが全体の楽章構成はベートーヴェンのピアノ・ソナタ第14番を少し意識しています。しかし、ベートーヴェンは第2楽章のメヌエットを変ニ長調にしていますが、ここでは嬰ヘ短調です。この調設定はベートーヴェンよりも古典的と言えるかもしれません。やはり冬の雨には暖かみのある変ニ長調はそぐわないのです。
冒頭から既に、第1楽章のテーマから演繹されています。嬰ハ短調の部分では露骨にテーマを使用しています。トリオでは同主長調に転調しますがここでもド♯(Cis)の雨の雫の音が音楽を牛耳っています。

第3楽章
ソナタ:アレグロ・アッサイ
第3楽章になると雨は地面に打ち付けるような土砂降りとなります。やはり冒頭の第1主題から既に第1楽章のテーマが敷衍されています。また、ド♯(Cis)の雨の雫の音も雨が打つ音に変化しながらも全体の音楽を支配しています。第3楽章になるとド♯(Cis)は音高を変えいろいろ動き回るようになります。第1主題のつなぎの部分には第2楽章の音形が使われます。そして第1楽章のテーマがアーティキュレーションを少し変えて出てきたあとに第1主題を確保します。第2主題はホ長調で書かれていますが、やはりこのテーマも第1楽章のテーマから派生したものです。少しモーツァルト風なコデッタを経て展開部に入ります。
まずはコデッタの音形を展開しますが、この発想はモーツァルトのソナタを参考にしました。そして第2主題が変ニ長調で展開、次々に転調され第1楽章のテーマが主役となります。展開部で他の楽章のテーマを展開するというのはドヴォルザークの交響曲第9番からヒントを得ましたが、この通りこの曲自体が第1楽章のテーマの展開のみによって成り立っている事からも自然な成り行きではないかと私は思います。
その後、ホ短調で第1楽章が出てきて再現部かと思わせて、さらに展開が続きます。この発想はベートーヴェンのピアノ・ソナタ第10番から得ました。そして第1楽章のテーマが引き伸ばされた形で展開された後、第2主題がコラール風に展開されます。そしてまた転調を繰り返し、イ長調からニ長調にたどり着きます。ニ長調の属七の和音を嬰ハ短調の増六の和音に読み替え、一気に嬰ハ短調に戻って再現部に入ります。
再現が終わると、全ての主題が同じものである事のネタバラシとでも言いましょうか。いや、もはや同じものである事を強引に主張しているとさえ言えるようなコーダに至り、雨は土砂降りのまま曲は終わります。ベートーヴェンのような「苦→喜」のような構図は一切ありません。聴く人によってはただひたすらに暗いと思われる方もいるかも知れません。少なくとも作者にはそのように聞こえます。
この曲を演奏するしてくださる機会がもしあるとすれば、自分なりのストーリーを考えたり、自分なりの解釈をしていただきたいです。

菊池 亮佑


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