浜田省吾のもっとも人気のあるバラード「もうひとつの土曜日」は1985年に作曲されました。大切な女性に対して、ピュアな恋心と、意味深なオトナの心情をせつなく、時に溢れる想いを抑えきれないような悶絶状態の語り口で、歌詞の世界観を描き出してみましょう。メロディは、比較的はっきりと1コーラス、2コーラスといった繰り返しの構成ですが、左手の伴奏の形は、動きの少ないアルペジオ、動きを増やしたアルペジオ、リズム協調型など、さまざまです。同じような動きのアルペジオであっても、ベース側の音を残しめ(タイ掛け)にしたり、キッパリ切ったりということが微妙に混在しますが、しっかり練習して弾いていても、あたかも即興的にメロディに伴奏付けして弾いているかのような雰囲気を醸し出すための仕掛けになっています。また[I]以降は、ピアノスタイルならではの優しい雰囲気の歌い方もお楽しみください。