ジュリアン・スクリャービン(1908/2/12〜1919/6/22)はアレクサンドル・スクリャービンの愛人との間に授かった息子。わずか11歳で夭逝。若くして作曲の才能を開花し将来を展望されていた矢先に、川で水死しました。
この楽譜に納められているのは、作曲家最晩年(?)10〜11歳の時の作品。日本で出版されるのは初となります。
全4曲の前奏曲は父アレクサンドル・スクリャービンの中・後期の作品を彷彿とさせるもの。
・1曲目(Op.2)はドラマティックで4曲中最も長い。
・2曲目(Op.3-1)は父の中期作品のように美しい。ロ長調の表示があります。
・3曲目(Op.3-2)は上昇音型が繰り返えされるシンプルな構成。
・4曲目は作品番号も速度指定もない謎めいた曲想の作品。静かにおどろおどろしく
開始するが途中で発作的に複雑なリズムの音型が現れ、更に5拍子に移って不安を煽ります。
この年齢でこの内容の深さ。長生きしていたらこの後どのような作品を生み出していったか。早すぎる死が悔やまれます。
新記譜法color5による出版第2弾。今回はA4サイズです。PDFにはなんら制限は掛かっておりません。いつまでも印刷してお使いできます。A4カラープリンターが必要です。運指(指使い)は編者によるもの。音符の上の数字は右手を想定。下は左手です。運指を付与していないバージョンも付けております。
末尾にはジュリアンの自筆譜を添付しました。分析の参考にお使い下さい。
音源には以下があります:
Naxos: Scriabin Prelude Vol.2 ASIN: B00004TQOT
【仕様】
記譜法:color5 (カラーユニバーサルデザイン準拠)
運指:有り無し同梱
サイズ・ページ:A4 5ページ(x2), 自筆譜 8ページ
踏めくリスト:不要
底本:自筆譜を元にした原典版
編者が追加した運指・手の配分が分かるようにしてあります。
また自筆譜の誤りであると考えられるところについては註釈を付けて修正しております。
【第2版】
2011年12月19日 制定。
・カラーユニバーサルデザインに準拠
・運指無しバージョンを追加