シューマンが28歳の時にまとめられた「子供の情景」の中の最初におさめられている曲を、ポピュラーのコンチェルトアレンジに仕立ててみました。当時まだ独身のシューマンですが、恩師の娘であり、すでに有名なピアニストであるクララにあてて書かれたもので、手軽に弾けそうな小品の中に込められた芸術的なエッセンスは素晴らしく、現代の感覚の中に、子供たちがシューマンの豊かな愛を感じて、「異国から」を楽しんで弾いてくれることを念頭に編曲いたしました。
プロローグのように、原曲8小節をそのままピアノで演奏します。そこに被るように、ジャズワルツで、原曲冒頭6度跳躍を生かしたフレーズを取り入れたエレクトーンのイントロが始まります。リズムに乗って、楽しく4小節のフレーズを生かして弾いて下さい。ピアノパートは、原曲よりもかなり難易度を落として、弾きやすくしました。途中のエレクトーンのアドリブは、ノンレガートで。後半次第に盛り上げて転調したあたりから、のびやかで明るく未来に希望をつなぐ雰囲気で、スケール感のあるコンチェルト演奏を目指しましょう。お互いの演奏をよく聞き、ジャズワルツのリズムに乗って、生き生きと演奏して下さることを願っています。