演奏難易度の高い作品と知られているピアノ曲、ハンガリー狂詩曲(ハンガリアンラプソディ)は、全部で19曲ありますが、その中で最もよく演奏されるのがこの第2番、1853年に初版が出版されています。
作品は、異なるテンポを持ったいくつかの楽節で構成されて、その変化の面白さにアニメなどにも取り上げられて人気も高く親しまれている曲です。
リストが、ハンガリーの古くからの民謡をモチーフにして作曲したと言われていましたが、実際にはジプシー音楽の良く知られたメロディーからヒントを得て作曲されたものと言われており、民族色を感じる作品には、リストならではの愛国心の表われであることは間違いありません。ハンガリー生まれであっても、ドイツ人だったリスト。しかし、実際には、その民謡とジプシー音楽の勘違いに、評価を落としてしまったということも伝えられています。
さて、ピアノとエレクトーンの一台ずつのアンサンブルアレンジをするにあたり、発表会のステージを意識して、弾きやすい難易度でまとめ、サイズもコンパクトにして、ドラマティックで聞きやすいようにまとめてみました。
特に後半には、「クシコスポスト」や、アニメ「トムとジェリー」で使われているフレーズからイメージを広げて、エレクトーンの音色に楽しい電子音や動物の鳴き声なども盛り込んでいます。
前半、遅いラッサンの部分に、クラリネットで少しだけカデンツァに匹敵する部分を創出してみました。後半の速いフリスカと呼ばれる部分からは、オートリズムを使って、SEQを走らせながら一気に演奏して下さい。また、強弱記号はスコアからの
表記を基に付けています。お互いの音量をよく聞きあい、ソロで弾く時のフォルテやピアノの表現ではなく、2台合わせた音楽としてのイメージ表現と捉えて演奏していただけますように願っています。