幻想曲は、気分の赴くままに楽想を自由に展開するという、即興性に富んだ曲種である。冒頭の12小節間にわたるテーマが曲全体を通して4回登場する。それぞれの間には異なるエピソードがはさまれており、この部分の展開が幻想曲らしい即興的な雰囲気を作りだしている。フーガの61小節目から最後までは,2つの主題をもつ「二重フーガ」で、バッハらしい荘厳な雰囲気が感じられる作品である。