〈14のバガテル op.6〉は1908年に書かれた、バルトーク独自の様式が明確に現れはじめた初期の作品である。第1曲(Molto sostenuto)は調号の異なる2つの声部が、まるでゆったりとした会話のように奏であう。特にスタッカート、テヌート、そしてスラーが同時に付された左手の下行音型をどのように表現するかが、曲の雰囲気を決めるポイントだろう。