「それほど厳格でなく中庸に、しかし常にルバートで」という難しいテンポ指示から、この曲らしい雰囲気を出す上で「微妙なテンポの揺らぎ」が重要な役割を担っていることがわかる。旋律声部とそれを追いかけるシンコペーションの声部とが組み合わさって曲全体を形づくるが、いかに旋律を美しくつなげられるか、そのレガートの中でいかに表情をつけられるかが、演奏上のポイントになる。