1886年に書かれた第3集の6曲目。全曲中で最も有名な、美しい旋律をもつ作品。冒頭から間断なく続く和音の連打が重要な素材となっている。春への予感、期待、そして喜び、さまざまな感情をこめて導入の連打音を演奏してみよう。この作品で最も印象的なのは、短調の陰りをみせる中間部をはさんで、主題がオクターヴによって再現される部分であろう。この高らかに歌われるメロディーは、まさに春の輝きに満ちあふれている。