〈幻想小品集 op.3〉は1892年に書かれた5曲の作品集で、すでにヴィルトゥオーゾとしての風格が全体として感じられる。〈メロディー〉は第3曲。冒頭8小節で歌われるメロディーが主題となって何度も繰り返され、3連符による和音の伴奏が絶えず変化しながら曲の推進力となっている。旋律と伴奏が互いに高めあう中で音楽が発展していく様子はダイナミックとしかいいようがない。