〈14のバガテル op.6〉は1908年に書かれた、バルトーク独自の様式が明確に現れはじめた初期の作品である。第4曲(Grave)は、ハンガリーの古い民謡が旋律に使われ、「私が牛飼いだったとき、私は牛たちのそばで眠ってしまった。目が覚めたのは真夜中のこと、牛は1頭すらいなくなっていた。」という内容である。フェルマータが、ちょうど韻を踏むように2小節ごとに付けられており、この微妙な間のとり方で味わいが深まる。