曲集の正式名は、〈運指の教則本付きクラヴサン曲集〉。斬新な音型がきわだっている。曲が始まって間もなく現れる、広範囲でしかも急速な分散和音。そして手の交差、これはラモー自身が「バッテリー」と名付けた音型である。さらに幅広い跳躍も特徴で、左手の伴奏にはオクターヴ以上の大胆な跳躍が含まれているのが目立つ。鍵盤の巧みな扱いがラモーの作品に特有の華やかさを生みだしている。