18世紀フランス鍵盤音楽史において、 クープランが発展させたクラヴサン組曲の伝統をさらに受け継いだのがラモーである。〈エジプトの女〉は1728年頃に出版された新クラヴサン曲集の第16曲。一貫して奏される急速な分散和音が技巧上の特徴となっている。また、左手に現れるオクターヴのユニゾンは、終末に向かう緊張感を高めるために非常に効果的に使われている。