「ファンタジー」は、ソナタのように決まった形式をもたず、楽想の自由な展開を特徴とするが、この曲では冒頭8小節の主要楽想が繰り返し登場することによって、ロンド風な形がとられている。当時、この作品は「カプリッチョ」というタイトルで出版されたこともあった。その名にふさわしい変化に富んだ作風は、聴く者を飽きさせることのないハイドンらしいユーモアにあふれている。