日本でも〈庭の千草〉としてなじみ深いアイルランド民謡〈The Last Rose of Summer〉の歌の旋律をもとにして、テンポや曲想を変化させながらさまざまな気分を表現している。冒頭で提示されたメロディーは、間もなくプレスト・アジタートの波にかき消されるが、ふと思い出したように再び現れる。記憶に残っている旋律が浮かんでは消える、まさに夢うつつの幻想の世界である。