原曲版。題名はロマン派の作曲家たちに多大な影響を与えた作家ジャン・パウルの〈花と実と茨の小品〉からとられたといわれる。〈花の曲〉は、5つの楽想にもとづく9つの部分からなる。いずれの楽想も、上声の旋律とそれを支える8分音符の伴奏、さらに両声部の間で細かく動く16分音符という書法がほぼ共通しているため、全体を自由な変奏曲ととらえることもできよう。転調が多様な変化をみせる中で、可憐な旋律が非常に魅力的だ。