原曲版。音楽史上初めてノクターンと題するピアノ曲を書いたのは、イギリスのピアニスト J. フィールドであるが、現在ではこの創始者の存在が忘れられてしまうほど、ノクターンはショパンの代名詞となってしまった。その名の通り「夜」が創作上重要なインスピレーションとなっているため、まどろむような雰囲気に包まれているのが特徴だが、全く対照的な激しい表現を組み合わせる場合が多い。このop.15-1も、冒頭の穏やかな旋律からは想像できないほど荒々しい、まるで悪夢にうなされるような中間部が印象的である。