〈18の小品 op.72〉は最晩年の1893年、交響曲第6番〈悲愴〉と同時期に書かれた小曲集である。〈いたずらっ子〉はこの曲集の依頼者であるユルゲンソンの娘アレクサンドラに献呈された。左手の伴奏は小さい子どもの可愛らしい足取り、突然駆け出す16分音符は、何かを見つけて走りだす姿そのものではないか。表情豊かなテンポの変化にも注目したい。