原曲版。〈3つのノクターン〉は音楽院在学中の1887年に書かれた。第2番 ヘ長調はロマンティックな雰囲気にあふれる作品。ラフマニノフらしい厚みのある和音に導かれ、彼の最大の特徴である叙情性豊かなメロディーが登場する。14歳にしてこれだけの音楽的スケールと演奏技術をもっていたことには驚かされるが、後のピアノ小品や協奏曲と比較すれば、まだあどけなさを残しているというべきだろう。