〈スポーツと気晴らし〉は1914年に書かれた小品集。その序文においてサティは「これはデッサンと音楽という2つの芸術的要素によって構成されている」と説明している。調号、拍子、小節線は一切なく、サティ自身による諷刺のきいた詩が加えられている。夜空高く花火が打ち上がる。それを追う人々の視線。花火の音と光の色が目の前に浮かんでくるようである。最後の4オクターヴにわたる上行は、昇っていく光の線そのものではないか。