〈鏡〉は1905年頃に書かれた5曲からなる小品集で、ラヴェル自身が「私の和声的発展における重大な変化を示す作品」と言っているほど、彼の創作の中で重要な位置にある。鳥を心から愛していたラヴェルがこの作品について「夏の暑い時に、暗い森の中で気を失ってしまう鳥たちを想わせる」と述べているように、曲のいたる所に鳥の鳴き声が鮮明に描写されている。