鶴崎吹奏楽団(大分県)の創立20周年記念作品として2010年7月に作曲。同年8月29日作曲者自身の指揮で初演(2024年春改訂/改訂版の初演は2024年9月2日、指揮は佐藤勝哉氏)。作品は、同団からの要望もあり国選択無形民俗文化財「鶴崎踊(つるさきおどり)」がモティーフとなっています。「鶴崎踊」には、ゆったりとして優美な「猿丸太夫」と軽快な「左衛門」という二つの踊りがあります。今日では「鶴崎踊」と言えば一般的に「猿丸太夫」を指すことが多く、毎年8月の旧盆直後の土日に開催される「本場鶴崎踊大会」でも「猿丸太夫」に重きがおかれていますが、歴史は「左衛門」の方が古く、その起源は永禄3年(1560年)と伝えられています。この「夏宴」は、「猿丸太夫」のモティーフや旋律を中心とした第1部と、「左衛門」のそれらを中心とした第2部(M以降)から成っており、単なるアレンジや情景描写の類の音楽にならぬよう構成されています。