尺八古典本曲。琴古流の本曲。青梅にある鈴法寺から伝えられた鈴慕の一種。葦草曲といわれる場合もある。琴古手帖の当流尺八曲目によると、伊豆鈴慕とともに鈴法寺二十六世嘯山勇虎尊師からの伝来と記されている。おそらく、黒沢琴古(クロサワキンコ)が鈴法寺・一月寺の尺八吹合所(指南所)に出入りしている時に教授されたのではないかと思われる。
曲名の由来は、天文元年(1532年)~慶長18年(1613年)までの間、鈴法寺が武蔵国川越の葦草村にあったことから葦草鈴慕と呼ばれている。「青梅鈴慕」や「鈴法寺鈴慕」ではなく「葦草鈴慕」なのは、勇虎尊師から何か由来を聞いていたのか、それとも黒沢琴古の特別な思い入れか。のちにこの曲と鈴慕流を黒沢琴古と橋本左文が交換したと云われている。
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