尺八古典本曲、あるいは調子としての名称。江戸中期ごろから用いられる尺八五調子のなかの曙調子にあたるということで、この名がある。曲名としては「アケボノノシラベ」と詠み、調子としては「アケボノチョウ」と詠むのが正しいだろう。曙調子の旧調子名は、一越調子になる。
琴古流(キンコ)の本曲の場合は2種類あり、一つは吉田一調譜に記述されている伝承が途絶えてしまったもの(曙調。黄鐘調とも、注1)と荒木竹翁(2代目古童)が一二三鉢返から移調したもの(「竹翁入れこの手」と呼ばれる旋律の追加は曙調では省かれている)。三浦琴童の琴古流尺八本曲楽譜によれば現在もっぱら演奏されるのは、一二三鉢返調の曲の重奏用移調曲である。当曲は後者である。
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