
フランス語歌詞
詩 ボードレール
◆日本語訳
「A une passante 通りすがりの女」
シャルル・ボードレール:悪の華より
街の喧騒が周りを渦巻く中
長身で痩せた一人の女が通りすぎた
喪服につつまれ
悲しみの表情をたたえ
華奢な手で
スカートの裾を直しながら
敏捷で高貴で彫像のような脚
思わず曲芸師のように身をよじり
嵐をはらんだ青白い空のような彼女の目から
甘い魅惑と残忍な愉悦を飲み込んだ
だがそれもつかの間、
一瞬後には夜となった
消えゆく美よ
君の流し目は余を生き返らせた
再び会えるのは果たしていつのことだろうか
いやいやもう手遅れだ
おそらく二度とは会えないだろう
私は君の行き先を知らず
君も私の行方を知らない
愛しあえたかも知れない人よ
誰にそれがわかるであろう