20世紀前半の大ピアニスト、ラフマニノフが1915年に作曲した『14曲からなる歌曲集』の最終曲。一説によると、コントラバス奏者である友人に頼まれて作曲したところ、何らかのトラブルがあって演奏されず、長い間埋もれていたそうです。“ヴォカリーズ”とは、「a」や「u」などの母音で歌う発声練習を意味するフランス語のこと。この憂愁に満ちた美しいメロディは、現在ではさまざまな楽器の独奏やアンサンブル、ポピュラー編曲で親しまれています。