フィレンツェのメディチ家に引き立てられ宮廷音楽家として活躍したジュリオ・カッチーニ (1545頃-1618)が当時人気のあったカストラート(去勢された男性歌手)のために書いたとされている曲です。ルネサンス末期、バロック初期の音楽というよりは、ロマン派や映画音楽に通じるような美しく官能的なハーモニーとメロディなので、その特長を充分に引き出す内容にまとめました。とてもゆったりと荘厳な雰囲気を大切にしながら、演奏してください。左手は、広い音域間の跳躍を含むので、ペダルを効果的に使って、たっぷりと響かせながら演奏する格好の練習曲になると思います。