フランスの作曲家プーランクの協奏曲の1つに「オルガン、弦楽とティンパニのための協奏曲」という曲がある。美しい旋律と華やかな演奏効果のある作品で、プーランクらしさが溢れている名曲である。特徴的なのは管楽器を含まない編成になっていることで、これはオルガンのストップで多彩な音が出せるため、あえて管楽器は省かれて書かれた。これを逆にオルガンの響きを管楽器に書き直し、室内オーケストラのための協奏曲として演奏できないかというのが、この編曲の試みとなっている。オルガン協奏曲の魅力をオーケストラで楽しめるようになっていれば。