1832年8月作曲。
第3番が中間部を除き穏やかで美しい旋律に支配されている一方で、第4番は激しく情熱的である。冒頭のアウフタクトは属和音から始まり、1小節目1拍目で主和音に解決してから紡ぎだされている。
正確な打鍵による16分音符のパッセージワークの練習。短い動機が音度や調を変え、転回される、「紡ぎだしFortspinnung」という手法で作曲されている。これは、バッハが活躍したバロックの時代に頻繁に用いられた手法である。例えば、冒頭の1~2小節で登場する右手の16分音符による細かい音型とそれに続く跳躍音型(3小節目)は、5~7小節目で左手によって音度を変えて繰り返される。