人間密着ドキュメンタリー番組として、1998年にTBS系列局で日曜日の夜に放送されている長寿番組『情熱大陸』のオープニングテーマ曲は、第39回放送分から葉加瀬太郎が作曲し、その名も「情熱大陸」が使われ、現在に至っています。コンパクトなサイズでありながらも、上級者同士ならではの駆け引きや、スリリングな超接近、絡み合うシーンを存分に楽しみ、味わえる内容の連弾アレンジです。小松亮太の情熱的なバンドネオンの音色が印象的な［A］の部分は、テンポに縛られず自由に泳ぐように演奏しますが、前半はIIパート側（セコンド）、後半は高い音域でメロディを取るIパート（プリモ）に主導権がある感じです。［B］直前の休符1拍分で、軽快なラテンリズムに変わりますが、実際には、その小節のフェルマータのかかった音（伸ばしている）の間に、ふたりで呼吸を整えておく要領です。ライブでは、［B］の始めの2小節で手拍子を誘い、雰囲気が出来上がるまで繰り返して煽っても楽しいと思います。指示したアーティキュレーションは可能な限り守って、淡々と刻まれるリズムの上で、時に艶めくような濃厚な歌い方のシーンも作りながら、節度のある熱いサウンドを目指してくださいね。
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