
この楽譜にご興味を持っていただき、ありがとうございます。
「消えゆく色」というタイトルのこの曲は、高校時代の恩師、平野加奈先生のために作曲した特別な作品です。2019年2月2日、卒業演奏会にて平野加奈先生が初演してくださったこの曲は、私にとって大切な思い出となっています。
私の在学していた高校では、突然音楽科の募集が停止され、私たちの代が最後の卒業生となりました。そのため、この作品には、自身の卒業への名残惜しさや、音楽科が消えてしまう寂しさを込めています。タイトルの「消えゆく色」は、まさにそうした思いから生まれました。
曲は全体的に即興的なパッセージで構成されており、変ニ長調で書かれていますが、21小節の中で9小節目まで主和音が登場しないという、独特な調性の探求を試みています。この彷徨うような調性は、割り切れない気持ちの表現とも言えます。全ては最初の音形を変化させたものであり、それが曲全体を統一しています。最後には消え入るように終わることで、儚さを強調しています。
この曲を演奏される際には、何か儚いものに思いを馳せつつ、自由に感じるままに演奏していただければ幸いです。この楽譜が、あなたの音楽の旅に新たな色を添えることを願っています。