
スコアとパート譜セット、演奏時間5分半くらいの曲です。元々はマンドリンオーケストラのために作曲したものですが、この楽譜はマンドリン x 2、マンドラ、ギターによる四重奏のために編曲したバージョンです。吹奏楽のマーチのような、125BPMくらいの早めのテンポで主部・Trioからなる2部形式になっています。
我々日本人にとって桜が咲く季節は、年度が切り替わる節目の時期です。そこから新生活をスタートさせる人も多いことでしょう。この曲は、今までの日常から解放された喜び、経験したことのない新たな世界の幕開けに対する期待感・高揚感をテーマにしています。タイトルの「桜の並木道」とは実在する特定の場所ではなく、まだ見ぬ新たな世界への期待を募らせている心象風景のことを指しています。
構成は複合二部形式のマーチで、華やかなイントロから始まります。主部(前半)では跳ねるような音形に装飾音符を伴った躍動的な旋律により、新たな世界へ驀進するエネルギーを表現しています。対比となるTrio(後半)では、ゆるやかな主題が何度も繰り返されながら次第に高揚感を増していき、期待に胸を膨らませる心境を高らかに歌い上げます。最後は長2度上へ転調し、最高潮のテンションを維持したまま華々しく幕を閉じます。