
モーツァルトのように、ベートーヴェンもオスマン帝国の軍楽隊の音楽に影響を受けて「トルコ行進曲」を作曲しています。「6つの変奏曲」Op.76や、この主題を転用した劇付随音楽「アテナの廃墟」Op.113の中の一曲が「トルコ行進曲」です。18世紀頃のヨーロッパではトルコ音楽が大流行。ラッパやシンバル、大太鼓による勇ましいリズムや響きを、ベートーヴェンも積極的に取り入れました。この曲は、アントン・ルビンシテインによるピアノソロ編曲でも親しまれ、ラフマニノフの名演には圧倒されます。リストも複数の演奏スタイルで編曲していますので、巨匠たちへのオマージュも込めて連弾編曲しました。また、劇付随音楽「アテナの廃墟」序曲や、交響曲第9番「歓喜の歌」のメロディ、交響曲第5番「運命」の3連符のモチーフも、サプライズとして登場させています。手の大胆な交差では、アクロバティックな進化系連弾をお楽しみください。演奏ポイントとしては、軍楽隊による行進曲の特徴でもある“タン、タン、タ、タ、タン” と繰り返される力強いビートを意識してみましょう。序奏や[A]では、軍楽団が遠くから近づいてくる情景ですので、強弱記号やcresc.に注目してください。[B]では、音楽が軽快に動いていきます。8分音符に続く16分音符が重くならないようリズカルに奏でてみましょう。[C]のプリモに、「アテナの廃墟」序曲のメロディを遊び心で加えてみました。後半も、「歓喜の歌」で奏でられるトルコ風行進曲の一節がセコンドに登場します。[D]は、プリモのリスト風パーセージを煌びやかに奏でてみましょう。[E]の大胆な手の交差では、互いに手の角度、腕のポジションを試行しながら、目でも楽しめる進化系連弾に挑戦していただきたいです。[F]は、「トルコ行進曲」と「歓喜の歌」のメロディによる共演です。最後は、軍楽団が遠くに去って行く様子を dim.で表現してみましょう。