壮大かつ叙情的なこの曲は、ラフマニノフのピアノ・コンチェルトのような雰囲気を彷彿とさせます。7小節目からのアルペジオは、ストリングスの重厚感とピアノのきめ細やかさが両立するように配置したので、メロディを引き立てつつも萎縮せず情熱的に弾きましょう。前半の山場となるのは31、32小節目のff(フォルテッシモ)なので、29小節目からのcresc.(クレッシェンド)はかなり意識したいところです。 41小節目からは、ドビュッシーのようなフランス音楽風の雰囲気を感じます。和声の美しさにつられて、ついルバートしすぎないよう、楽譜通りの長さから外れないように心がけましょう。49小節目は最大の山場なので、ひとつひとつの和音に体重を乗せるイメージで、軽くならないようにすると良いです。