
ダカールは、「ダカールラリー」というレースで世界的に有名なセネガルの首都。旧フランス領で西アフリカに位置し、なかでもダカールは西アフリカ随一の先進的な都市となっています。
文化背景としては、セネガル国内はイスラム教信者が国民の大半を占めるものの、イスラム神秘主義に基づくスーフィー教団に属しており、比較的教義については穏健な立場だそうです。それもあってか、音楽文化にしても寛容で(イスラム教の一部の宗派では音楽は“ハラーム”(禁忌))むしろ音楽を宗教的行事に位置付けるなど、独自な音楽、舞踊文化、またダカールではジャズフェステバルが開催されるなど賑わいをみせます。
そんなダカールにインスピレーションを受けて作曲したこの作品は、ジャズ・ロックの語法を伴った雰囲気に仕上げました。構成はクラシック音楽のような厳格な形式主義からは脱し、Dawn(夜更け)→Midnight(真夜中)→Dawn(夜明け)という時間の経過とともに曲が進行します。刻が変わる際、イスラム地域では祈りの時間を知らせるため、「アザーン」という呼びかけが街中に放送されます。曲中でも、「ヒジャーズ・マカーム旋法」というイスラム圏の音階を使い、またビバップ調にすることによってノリのよいアザーンを表現しました。
Dawnの部分ではセネガルの民族舞踊である「サバール」を取り入れています。非常に速い複雑なリズムを含んでおり、同時に清々しい朝日が差し込んでくるポップなコードを循環させています。
原曲のピアノソロ版をアルトサックスとピアノ用として編曲しました。アルトサックスの響きが加わり、よりジャジーな雰囲気がましています。サックスパートには一部即興セクションがあり、奏者のアレンジ個性が出やすくなっています。