この編曲は、Covid-19が大流行した最初の数週間から数ヶ月の間に、私自身の楽しみとして書き下ろしました。他の誰かがこの楽譜に興味を持つとは思ってもみませんでしたが、オンラインコンサートのために録音し、ビデオをアップロードしたところ、楽譜を求める多くの声を頂きました。同時にミューズ・プレスから出版についての申し出があり、喜んでお引き受けすることになりました。
注意事項:この曲を編曲するにあたり、私は楽曲本来の特長を残すことを優先したため、弾き心地の良さにはあまりこだわりませんでした。私の手は12度に届きますが、それでも演奏不可能な箇所があります。
どの手で何を弾くか、また、トーナル・ペダル(ソステヌート・ペダル、ミドル・ペダルともいう)をどのように使えば、重要な音を失うことなく、すべての音域をカバーできるかについて楽譜に記してはいますが、これらはすべて提案に過ぎません。演奏者は、試行錯誤を重ねることで他の適した奏法を見つけられるかもしれません。私がこの曲を書き下ろしたときの目標は、自分自身で演奏できるようになること、そしてこの信じられないほど美しい傑作を、ポリフォニックな意味で可能な限り完全に演奏できるようになることでした。この目標を達成するための方法は一つではないでしょう。
アントニオ・ポンパ=バルディ
2022年5月