
1981年(昭和56年)の大ヒット曲「ルビーの指環」も含む、寺尾聰の代表アルバム『Reflections』のオープニング・ナンバーが、この「HABANA EXPRESS」。当時流行した大人向けAORポップスの和製版として歌謡界を牽引した、都会的でお洒落なサウンドが目玉の(80年代の音楽シーンの興隆を象徴する)佳曲だ。参加ギタリストは、時の最強スタジオ奏者の集合体バンド=パラシュートより、リズム・パートに松原正、ソロ・パートに今剛という布陣。同じくパラシュートの井上鑑(k)の名アレンジの上に乗って、シャープに冴えわたる重厚なギター・プレイが聴きどころだ。ちなみに本曲は、上記アルバムの収録曲をまるごと(当時とほぼ同じメンバーで)用録音した「Re-Cool Reflections」からのシングル曲としてもリリースされているので、両バージョンの違いを聴き比べてみるのもおもしろいかも。なお、今回取り上げるオリジナル録音にはギターが数本重ねられているが、譜面上ではそれをギター1本で演奏できるように1パートにまとめておいた。