
「ウィーンの森の物語」、「皇帝円舞曲」とともに、シュトラウスII世の「3大ワルツ」に数えられるウィンナ・ワルツの名曲「美しく青きドナウ」。1867年に男声合唱とピアノ伴奏の編成で作曲されましたが、初演の直前にオーケストラ伴奏をつけることが決まり、冒頭の滔々と流れるドナウ川をイメージする部分が書き足されたようです。調性も、もちろんサイズも原曲とは異なりますが、ドナウ川を眺める最高のロケーションでカジュアルにランチを楽しむなど、今ドキの雰囲気を感じさせる軽いタッチのジャズ・ワルツに仕上げてみました。あまり装飾的な音や、原曲からかけ離れた雰囲気にまで広がってしまわないように、あくまで上品で華麗なウィンナ・ワルツの土台を大切にしつつ、川の流れや、さざ波のきらめき、そよぐ風などを描くように、サラッと演奏してください。もうひとつの楽しみ方として、テンポを4分音符=118くらいまで落として、2連8分音符を軽くバウンスさせるタイプのジャズ・ワルツにも変身できる仕掛けです。