
イタリア語で“鐘”を意味するカンパネラ。ニコロ・パガニーニのヴァイオリン協奏曲第2番第3楽章の「鐘のロンド」の主題を土台に、リストによって編曲され、この題材で四種類の作品を書いていますが、もっとも親しまれ、演奏される機会が多いのは「パガニーニによる大練習曲」の第3番でしょう。
華麗で腕の魅せ場も多い名曲のため、歴史に残る名演奏も多く存在しますが、今回は美味しいとこ取りのコンパクトなサイズでまとめてみました。なんと言っても、鐘の響きを表す右手の跳躍が、俄然難易度を上げている曲ですが、またそこが最大の魅力でもあります。読者の中には、“チョップ・スティックを弾くみたいにメロディを両手で分けて弾けたらいいのに”なんて呟きながら、難曲に苦戦した経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか ? 今回は、その願いを叶える内容となっています。でも、音を削りこんでも、音域幅を狭くしても、サウンドが薄っぺらい雰囲気にはならない配慮と工夫を施していますので、弾き応えは充分にあると思います。ただ、油断は禁物です。音数が少なくなるということは、1音1音の持つ役割や意味がグッと深くなるということも、お忘れなく。